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不完全コピー

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小さな画像のプリントをみせられながら
「これを作ってください」と 言われる。

職人は要求されれば形にすることはできる。
でも ただそれだけなら 中国のディズニーランドを笑えない。

明確なイメージがあって それが製品化されているなら それを買うべきだろう。
なぜ コピーものをわざわざ作らなければならないのか。
「こういう仕事はやめましょう」と私は答えて
それに代わる案を出しましたが 今回どうしても作ってくれと 再び最初のものを頼まれる。

それで 作ったのがこの椅子です。
ただ 最初に見せられた画像は不鮮明なもので じっくりと確認せず
全体的なイメージだけで 作りました。同じものを作りたくないという私の意地もありますから。

アイデアこそが 最も大切なものであるけれど 
まだこの時代になっても アイデアはただと考えているのは 消費者だけではないようだ。
そうやって 自分の首を絞めている。

技術やデザインの勉強のために
名作といわれているものを 徹底的に再現することは 意味のあることです。
でも 売るためにコピーするのは まったくつまらない。

今回 どの程度不完全だったか、これから見直してみようと私は思っています。勉強のために。



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Commented by knos3 at 2017-04-06 23:51
人が作ったモノには完全コピーも、完全オリジナルもないので、ほどほどにということでしょうか。
考えれば、わからなくなります。法律がおかしいので・・・・。
今はもう、顧客の要望は聞かなくていいと思ってます。
Commented by kinokoji at 2017-04-07 23:37
knos3さん
顧客の要望。作家と職人の違いは その点にあるのかな と思っています。それとオリジナル性の関わり。経済社会のなかでのモノつくり。いろいろ考えると だんだん窮屈になります。
by kinokoji | 2017-04-02 02:33 | 作ってしまったもの | Comments(2)