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シオジ あるいは疑惑

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わりあい近くに シオジ平自然園というのがあるのだけれど
まだ 私は見たことがありません。

材木としては よく目にします。
ヤチダモに非常によく似ている。私には区分できません。

植物図鑑をみても
シオジは 葉柄の基部がふくらむ。 ヤチダモの小葉のつけ根に茶褐色の縮れた毛がある。
ぐらいの区別しかないようで。

最もわかりやすいのは
分布域。

シオジは関東以西の太平洋側、四国、九州。
ヤチダモは 岐阜県以北の日本海側、東北、北海道、樺太、満州などなど。

だから 新潟や山形の木材業者がいう シオジを
本当にシオジだと思ってはいけないらしい。

立っている木を自分で見て それを製材した木材なら確かだけど
そいうことはあまりない。
だいたい 木材業者を経て 手にすることが多いので
その木材業者のいいなり。

人には間違いがあります。
どんなに注意深くかまえても 間違いはおこります。「完全」なんてありえませんから。
そういう ボンミスはありえることです。

そうではなく 異名 あるいは方言名として 混乱した名称もありえます。
だから 自信を持って ヤチダモをシオジと呼ぶ人がいます。
これは 間違いではないけれど 話がややこしくなってくる。

さらに 取引上の都合のいいようにしてしまうこともあるでしょう。

ともあれ
このシオジのサンプルは 非常に疑わしい。

ヤチダモに比べ一般に 軽く柔らかく 加工しやすいとされているけれど
年輪幅の狭い ヌカメ的なヤチダモだって 軽軟となる。

細胞学的に分析すれば わかるのかもしれませんが
木材の外観的・肉眼的識別には 限界があります。





by kinokoji | 2016-06-15 01:41 | 木材 | Comments(0)