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火棚

火棚_c0045966_005167.jpg

飛騨白川郷の 合掌作りの家で
囲炉裏の上 べったりと黒々した火棚をみました。

乾燥や燻煙のため、と思っていましたが それだけではなく
熱や煙を拡散し、階上に届ける役もあるのだとか。

茅葺の保護、養蚕の保温、いろんな意味があるらしい。

画像のこれは 特養老人ホームの施設の一角に 設置したもので
火棚本来の目的はなく、ただ見てくれのもの。

上の画像の火棚は3mx2mほどの大きさで
作る上で特別な技術を必要とするものではありません。
ひとつだけでしたから。
このあと、もっと大きなものを 4セット作りました。

仕事は ただただ地道な作業を繰り返すだけで
一つだけなら気持ちも持続するのですが
幾つも作るとなると かなりきついものがあります。

作るよりも設置する方が たしかに体的には大変です。
が、ゆるすぎず きつすぎず、ちょうどいいところを狙って加工してゆこうとする
気持ちの持ちようを 作っている間ずっと持続させることが
単純な作業のなかで つらくなることがあります。
わたしが ちゃんとした職人ではないからなのでしょう。

一発逆転なんて 職人の仕事にはほとんどありません。

下の画像の火棚は 天井にくっついていて もう棚ではありません。
取り付けてしまえば この程度と感じるのですが
加工組立の時 左右を返したり 裏返ししたりするのも大変な大きさでしたが。
火棚_c0045966_04166.jpg

by kinokoji | 2014-12-19 00:43 | 意匠 | Comments(0)