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画像の上方向がこのケヤキが立っていた時の上、梢方向。
画像の下方向は 地面、根っこ側方向。

上二枚の画像のどちらも 節が含まれている材面。

テーブルにするという一枚板を
平らにしている途中ですが
木の いろいろな表情が見えている。

節は一般的に欠点として扱われますが
節とは 枝の痕跡で
生長に必要な枝葉を広げるわけですから
節のない木などありえません。

木材に節があると
曲げや引っ張り強度が低下し狂いの原因になり
なによりも 加工を難しくします。
それで 無節 を目指します。
製材時の鋸刃を入れる方向を選んだり
樹を育てる時には 枝打ちをすることもあるわけです。

枝が太くなれば 枝というより 二本の樹幹、二股の木 ですが
たいていは その下で玉切られ 製材されるので
二股の板は かえって少ないです。

枝は 幹に円錐状の丸棒を突き刺したように 生まれてきます。(画像上参)
鉛筆にキャップをかぶせるように生長してゆく幹の流れに逆らうかたちで
枝は伸びます。
そのため 節のある材を削るとき
節の流れの方向にあわせて鉋を当てると 節以外のところは 逆目となって
鉋掛けが大変になります。

樹皮は 樹木の生長に従って 外に追い出され 脱落してゆくわけですが
枝が折れて切断されると 
その傷口を包み込むように生長します。(上の画像二枚とも)
そのときの樹皮も一緒に。

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二股部分というか 
この部分では 三本に枝分かれしているところで
一本は折れて 包み込まれているところです。

右側上に伸びる枝の
このスライスされた板では
真ん中部分と右端だけが下とつながっているだけで
ぽろぽろと剥がれ落ちてしまう樹皮が
間に詰まっています。

なんとも要領の得ない説明ですが
ともかく 節の部分 枝分かれした部分は
木材として使うときは
非常に使いにくい ということです。

が、木目は複雑で 面白い表情を見せるし
この樹木の過去、木の人生が ちょっと見えたり
とても魅力的なところです。

裏表に 契を入れて補強してみました。
(加工が終わったのは 夜でしたので 写真の色が違っていますが 同じ木です)
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Commented by knos3 at 2017-10-20 22:50
味のある材でいい仕事してますね。節や割れが好まれる時代になってきているように思います。

カンナを掛けるとよくわかりますが、節周りは目があちこち流れて難しい。目の流れがわからない頃はホントに苦労しました。今でもできませんけどね。
Commented by kinokoji at 2017-10-23 00:06
knos3さん
単に材料として扱うのではなく、自然が見せる表情こそ貴重だと思うようになったということでしょうか。
いずれにせよ 工人は自然の力に沿って仕事をすることを求められているような気がします。
by kinokoji | 2017-10-14 01:21 | 自然 | Comments(2)