小さな画像のプリントをみせられながら「これを作ってください」と 言われる。
職人は要求されれば形にすることはできる。でも ただそれだけなら 中国のディズニーランドを笑えない。
明確なイメージがあって それが製品化されているなら それを買うべきだろう。なぜ コピーものをわざわざ作らなければならないのか。「こういう仕事はやめましょう」と私は答えてそれに代わる案を出しましたが 今回どうしても作ってくれと 再び最初のものを頼まれる。
それで 作ったのがこの椅子です。ただ 最初に見せられた画像は不鮮明なもので じっくりと確認せず全体的なイメージだけで 作りました。同じものを作りたくないという私の意地もありますから。
アイデアこそが 最も大切なものであるけれど まだこの時代になっても アイデアはただと考えているのは 消費者だけではないようだ。そうやって 自分の首を絞めている。
技術やデザインの勉強のために名作といわれているものを 徹底的に再現することは 意味のあることです。でも 売るためにコピーするのは まったくつまらない。
今回 どの程度不完全だったか、これから見直してみようと私は思っています。勉強のために。
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